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更新日:2026.08.01
住まいづくりコラム
なぜリビングは散らかる?収納は「量」より「場所」が正解
家族が集まるリビングは、家の中でいちばん物が集まる場所。子どものおもちゃ、学校のプリント、リモコン、スマホの充電器、読みかけの雑誌――気づけばソファの上やダイニングテーブルが物置のようになっていることも。
リビングが散らかる原因を「収納が足りない」と思っている方も多いようですが、実は量の問題ではなく「収納の場所と仕組みが暮らしに合っていない」ことがほとんど。既製の家具を後から買い足すだけでは、なかなか解決しないのもそのためです。
片づくリビングをつくるための収納のセオリーと、場所別の具体的なアイデアについて考えてみましょう。
目次
なぜリビングは散らかるのか
リビングが散らかるのには、はっきりとしたメカニズムがあります。問題の本質は「収納が少ない」ことではなく、「収納が遠い」こと。そして「物の住所が決まっていない」こと。原因がわかれば、対策も自然と見えてきます。
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家族全員の「ちょい置き」が集中する場所
リビングは、家族全員が一日のうちで最も長く過ごす、いわば暮らしの中心。だからこそ、一人ひとりの私物が自然と集まってきます。お父さんの鞄や腕時計、お母さんの郵便物や買い物のレシート、子どものランドセルや図画作品――行き場のない物が、テーブルの端やソファの上に置かれていきます。

原因は、「使う場所」と「しまう場所」が離れていること。たとえば爪切りや体温計などの小物類を寝室にしまっていると、リビングで使ったあとに戻すのがおっくうになり、結局テレビ台の上に置きっぱなしに。逆にいえば、リビングで使う物の定位置をリビング内につくるだけで、散らかりは大きく減らせます。
3世帯に1世帯が「収納」に不満を持っている
この悩みは、決して特別なものではありません。国土交通省の令和5年住生活総合調査によると、住宅の個別要素のうち「収納の多さ、使い勝手」への不満率は33.1%。これは「広さや間取り」の21.4%を大きく上回り、住まいへの不満項目のなかでも上位に入ります。
注目したいのは、不満の中身に「使い勝手」が含まれている点。実際、納戸やクローゼットをたっぷり用意したのに「奥の物が取り出せない」「結局使っていない」というケースはめずらしくありません。やみくもに収納量を増やしても、使いにくい場所の収納はデッドスペースが増えるだけ。大切なのは「量を増やす」発想から、「適材適所に配置する」発想への転換です。
参考:国土交通省「令和5年 住生活総合調査(速報集計)結果」
リビング収納、3つのセオリーとは?
では、片づくリビングにするには何を意識すればいいのでしょうか。やみくもに収納を増やす前に、押さえておきたい考え方があります。設計段階で意識したいポイントを、3つのセオリーに整理しました。
セオリー① 使う場所のそばに収納をつくる
1つめは、収納の位置を「使う場所」から逆算して決めること。これがいわゆる動線収納の考え方です。たとえば、薬や体温計はダイニングの近く、文具やはさみはカウンターのそば、子どもの学用品はスタディコーナーの足元、といった具合に。
第一歩としておすすめなのが、リビングで使う物をいったん紙に書き出してみること。「ここで何をして、何を使うのか」を可視化すると、必要な収納の位置と量が具体的に見えてきます。そのうえで意識したいのが、ワンアクションで出し入れできる距離と高さ。扉を開けて、引き出して、箱を開けて……と動作が増えるほど、人は物を戻さなくなります。
セオリー② 見せる収納と隠す収納を使い分ける
2つめは、見せる収納と隠す収納のメリハリ。生活感の出る物――ティッシュの予備、配線、書類、薬箱などは扉付きの収納へ。一方で、お気に入りの本や写真、観葉植物、季節の雑貨などは、あえて飾り棚に「見せる」と、空間に表情が生まれます。

目安としては、「見せる2割・隠す8割」程度のバランス。見せる収納はおしゃれに見える反面、物が増えると一気に雑然とするため、扱う量を絞るのがコツ。ぎっしり詰め込まず、あえて余白を残しましょう。扉付き収納と組み合わせ、「普段は隠し、見せたい物だけ見せる」設計にすると、来客時にも慌てません。
セオリー③ 収納量より「戻しやすさ」を優先
3つめは、量よりも「戻しやすさ」を優先すること。どれだけ収納が多くても、戻すのが面倒な仕組みでは片づきません。家族の誰もが迷わず戻せる「定位置」を決めるだけで、子どもでも自分で片づけられるようになります。
このとき、収納を細かく仕切りすぎないのもポイント。きっちり分類しすぎると、戻すときに考える手間が増え、長続きしません。「おもちゃはこの大きなカゴへ」「書類はこのボックスへ」といった、ざっくりとした“放り込み収納”のほうが、毎日の片づけは無理なく続きます。子どもの手が届く高さに定位置をつくれば、片づけの習慣を育てることにもつながります。
場所別リビング収納アイデア
セオリーがわかったところで、ここからは新築・注文住宅ならではの「設計でつくる収納」を、場所別に具体的なアイデアとして紹介します。
壁面収納・テレビボード周り
リビング収納の主役ともいえるのが、壁一面を使った壁面収納。床から天井まで活用できるため収納力が高く、扉や素材を空間に合わせれば意匠性も両立できます。なかでもテレビボードと一体で造作すれば、ごちゃつきがちな配線やルーター、ゲーム機、DVDなどをまとめてすっきりと隠せます。
ただし、天井までびっしりの収納は圧迫感が出やすいのも事実。一部をオープン棚にして「抜け」をつくったり、扉の色を壁になじむトーンにそろえたりすると、空間が軽やかに見えます。間接照明を仕込めば、収納がそのままリビングの見せ場に。
回遊動線・ウォークスルー通路の壁面を収納に変える
意外と見落とされがちなのが、通路の壁面です。リビングからキッチンや洗面、パントリーへ抜ける通路の壁に棚を設ければ、移動のついでに物を出し入れできる「動線上の収納」が生まれます。廊下を単なる移動空間で終わらせず、収納力に変えられる、一石二鳥のアイデア。
回遊動線と組み合わせれば効果はさらに高まります。「通りながら戻せる」ため、物がリビングまで持ち込まれて滞留する前に、自然と所定の位置へ収まっていきます。たとえばキッチンへ向かう通路にストック食品の棚を、洗面へ向かう通路にタオルや日用品の棚を設けると、家事の流れに収納が組み込まれます。

関連記事:【実例付き】平屋の回遊動線で叶えるストレスフリーな生活!家事効率を劇的に上げる間取りのコツ
階段下・小上がり・ベンチ下のデッドスペース活用
家の中には、使い方次第で活きる“隠れた収納予備軍”がいくつもあります。その代表が、デッドスペースになりがちな階段下や床下。リビング階段の階段下は、形状こそ変則的ですが、おもちゃや掃除機、掃除用品の収納にうってつけ。可動棚や引き出しを組み込めば、奥行きのある空間も無駄なく使えます。
小上がり和室をつくるなら、その床下を引き出し式の大容量収納に。季節物の寝具や子どものおもちゃなど、かさばる物をたっぷりしまえます。また、窓際にベンチ収納を設ければ、座る・しまう・飾るの3役を一台でこなしてくれます。
リビングクローク(ファミリークローゼット)という選択
「リビングをとにかくすっきり保ちたい」という方に検討してほしいのが、リビングクローク。リビングの横に0.5〜1畳ほどの収納室を設けるだけで、散らかりの大半をここで吸収できます。掃除機や日用品のストック、家族のアウター、子どものランドセルや習い事のバッグまで、まとめてしまえる「家族の基地」のような存在。
最大の利点は、扉を閉めれば一瞬で空間をリセットできること。急な来客のときも、出ていた物をひとまずクロークへ。リビング本体には物を置かない設計にしておけば、いつ誰が来ても慌てません。
子どものおもちゃ・スタディコーナー周り
子どもの物は成長とともに大きく変わります。乳児期はおむつやおもちゃ、幼児期は絵本やブロック、学齢期は教科書やランドセル――。
ここでの鉄則は、「遊ぶ場所のそば・子どもの高さ」に収納をつくること。リビングで遊ぶなら、その一角に子どもの目線で届く収納を。手が届かない高い棚にしまうと、結局親が出し入れすることになり、自分で片づける習慣が育ちません。スタディコーナーをつくる場合は、教科書やランドセル、文具の置き場までセットで計画しておくと、「とりあえずダイニングに置く」がなくなり、散らかりにくくなります。
関連記事:おもちゃ収納の見直し
造作家具でつくる「わが家専用」のリビング収納
ここまで見てきた収納アイデアを、より高い完成度で叶えてくれるのが造作家具です。既製品の家具では、どうしても空間とのあいだにすき間や違和感が生まれがち。注文住宅なら、その空間にぴったり合う収納を、間取りと一緒につくり込めます。

造作収納のメリット
造作収納の魅力は、何よりミリ単位で空間にぴったり収まること。柱の出っ張りや変則的な角、天井の勾配といった、既製品では持て余す部分まで無駄なく活用でき、デッドスペースが生まれません。加えて、床や建具と素材・色をそろえられるため、収納が空間に溶け込み、統一感のある上質な仕上がりに。壁や床にしっかり固定された造り付けのため、置き家具に比べて地震時に転倒しにくく、小さなお子様や高齢のご家族がいるご家庭にも安心です。
このように、デザイン性・収納力・安全性を一度に満たせるのが、造作収納の強みです。
関連記事:造作家具の魅力とは?暮らしを彩る造作家具で「後悔ゼロ」を実現する方法
可動棚・カウンターで暮らしの変化に対応
造作収納を計画するなら、「変化に対応できる柔軟さ」も意識したいところ。子どもの成長、趣味の移り変わり、家族構成の変化――収納する物は、10年も経てば必ず変わります。
そこで活きるのが可動棚。棚板の高さを変えるだけで、絵本から大型ファイル、家電まで、しまう物の変化に柔軟に対応。カウンターを造作で設ければ、その下を収納に、天板をワークスペースや子どもの宿題コーナーにと、一台で何役もこなせます。「今の持ち物」だけでなく、「10年後の持ち物」まで想像しておくことが、長く使い続けられる収納の秘訣です。
永森建設の収納設計――ヒアリングから始まる
永森建設は、収納計画を間取りの後付けとは考えていません。設計の最初の段階から組み込んでこそ、本当の意味で暮らしにフィットする収納になるからです。そのために大切にしているのが、丁寧なヒアリング。今の住まいで何にお困りか、どんな物がどれだけあるのか、家族それぞれの一日の動きはどうか――そうした暮らしの解像度を上げたうえで、ご家族の動線に合わせた収納配置をご提案します。
永森建設のモデルハウスでは、壁面収納や造作家具といった収納の実物もご体感いただけます。図面だけではわかりにくい使い勝手や寸法の感覚も、実際に見て触れれば納得感が違うはず。収納の小さな困りごとから、どうぞお気軽にご相談ください。
関連記事:間取りが広く見えるようになるポイントとは?LDKの形を例にご紹介します!
まとめ
リビングが散らかる原因は、収納の量ではなく「場所と仕組み」にあります。使う場所のそばに収納をつくること、見せる収納と隠す収納を使い分けること、そして収納量より戻しやすさを優先すること。この3つが、片づくリビングをつくる大きなセオリー。

そのうえで、壁面収納や階段下、リビングクローク、造作家具など、自由に選択を。大切なのは流行のアイデアをそのまま取り入れるのではなく、わが家の暮らし方から逆算すること。
永森建設は、ご家族一人ひとりの動線と持ち物に寄り添った収納設計で、毎日を無理なく片づけられる住まいをかたちにしていきます。
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