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更新日:2026.05.28
住まいづくりコラム
50代から始める“終の棲家”づくり。間取りのポイントは?
「この家で最期まで暮らしたい」——そう思える住まいは、偶然ではなく設計の積み重ねからうまれます。終の棲家を考えるとき、見た目のデザインや広さ以上に重要になるのが”間取り”。体が元気なうちはさほど気にならなかった小さな段差や長い動線も、年齢を重ねるごとに暮らしの質の低下につながってきます。
長く愛せる住まいづくりのために、押さえておきたい間取りのポイントについて考えてみましょう。
目次
終の棲家とは
人生の最期に向けて、老後を過ごす住まい、第二の人生を謳歌する家、それが終の棲家。「人生100年時代」と言われるいま、50〜60代から真剣に住まいづくりの検討をはじめる人が増えています。
内閣府の調査によると、「最期はどこで迎えたいか」という問いに対して、45.8%の人が「自宅」と回答しているそうです。
自宅で最期を迎えたい——。
そう願う人の気持ちはわかりますが、いま住んでいる家がそのまま終の棲家としてふさわしいかどうかは、また別の話です。
参考:内閣府「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」
考え始めるベストなタイミングは「50代後半」
体力・気力・資金——3つの余裕が同時に揃う50代後半から60代前半は、人生後半の住まいを描くのにちょうどいい時期です。「もう少ししてから」と思っていると、そのときには重荷に変わってしまうこともあります。
子どもの独立や定年退職といった、ライフスタイルの転換期と重なりやすいこの時期。注文住宅の計画や住み替えにはさまざまな負担も伴いますから、年齢を重ねるほど体力・精神・資金のすべての面で難しくなっていきます。「退職してからゆっくり考えよう」と先送りにすると、選択肢が狭まってしまう可能性も。
参考:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」

終の棲家の間取りで押さえる5つのポイント
終の棲家を注文住宅で建てる最大のメリットは、”将来を見越した間取り設計”ができること。後付けでは難しい工夫を、建てる段階から組み込んでおくことができます。
関連記事:【シニア夫婦向け】老後も安心・快適な平屋の間取りの秘訣
① バリアフリーを前提とした設計
「いまは元気だから」と後回しになりがちなバリアフリー。最初から将来を見越して組み込むほうが、後の改修コストも体への負担もぐっと少なく済みます。
内閣府の調査では、高齢者が住まいに求める条件として「手すりの設置・床の段差解消など高齢者向け設計」を重視する声が41.4%にのぼっているそう。廊下や玄関、浴室、トイレといった手すりが必要になる場所には、壁下地を最初から仕込んでおくのが理想。室内の段差をできる限りフラットにそろえること、開閉のラクな引き戸を採り入れること、廊下幅は車椅子が通れる90cm以上を目安にすること——。こうした細やかな積み重ねが、未来の暮らしやすさを形づくっていきます。
参考:内閣府「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」
② ワンフロアで完結する動線設計
階段の上り下りが、ある日ふいにつらくなる。そんな未来に備える間取りの基本が、暮らしを1階で完結させる発想です。
平屋なら階段移動そのものが不要で、段差をフラットに整えれば段差と無縁な暮らしも実現可能。2階建ての場合も、寝室・水回り・リビングをすべて1階に集約する「1階完結型」が有効です。寝室からトイレ、浴室までの動線をコンパクトにまとめ、廊下を減らして各部屋への最短ルートを確保すれば、毎日の移動の負担はぐっと軽くなるはず。敷地面積の都合で1階集約がどうしても難しい場合は、将来のホームエレベーター設置スペースを、いまのうちに確保しておくのもひとつの選択肢です。
③ 水回りの集約
夜中のトイレ、冬の入浴、いつかの介助の場面——水回りの設計は、年齢を重ねるほど暮らしやすさを大きく左右する部分です。
トイレ・洗面・ランドリーを一か所に集中させ、仕切りを最小限にとどめる設計は、将来的な介助のしやすさにも直結します。浴室は車椅子と介助者がともに入れる広さを想定し、洗面脱衣室と浴室は2畳(1坪)を目安にゆとりを持たせると安心。出入口は引き戸または引き違い戸にしておくと、万が一浴室内で倒れた場合でも、ひとりで入浴できなくなっても、スムーズに介助できます。

④ 家事がラクになる収納と動線
歳を重ねるほど、毎日の小さな家事がじわじわと負担に変わっていくものです。だから、間取り計画の段階で家事動線を短く整えておくことが、暮らしの質をそのまま守ることにつながっていきます。
キッチンからアクセスのよい場所にパントリーを設けると、まとめ買いにも対応しやすく、床への置きっぱなしも減って、転倒リスクの軽減にも効果的です。オープンキッチンは周囲の見通しがよく、車椅子での作業や介助時のアクセスにも向いています。収納は腰から目線の高さに集中させるのが、上下の過度な伸び縮みを減らせて、年齢を重ねた体にもやさしい設計に。
⑤ 玄関まわりのゆとり
家の出入りは、毎日かならず通るシーン。玄関にほんの少しのゆとりを持たせるだけで、未来の暮らしやすさが大きく変わってきます。
玄関土間を広めに確保しておくと、将来の段差解消スロープや敷台・ベンチの設置がしやすく、車椅子の出し入れにも対応できる構えに。上り框は長めにとり、靴の脱ぎ履きを座ったままできるように整えるのもポイント。カーポートは玄関から直結していると、雨の日や雪の日の乗降が格段にラクになります。アプローチの段差や坂道はなるべく避け、車椅子対応のスロープも視野に入れながら、敷地計画を考えましょう。
終の棲家の間取り|各部屋別チェックリスト
注文住宅で終の棲家を建てるとき、各部屋ごとに確認しておきたいポイントを表にまとめました。設計士との打ち合わせ前に整理しておくと、要望が伝わりやすくなります。
| 場所 | チェックポイント |
| 玄関 | 広めの土間、長い上り框、スロープ設置余地 |
| 廊下 | 幅90cm以上、手すり下地、段差なし |
| 浴室 | 2畳以上、引き戸、手すり、広い洗い場 |
| トイレ | 1畳以上、両側手すり設置可、引き戸 |
| 寝室 | 水回りとの動線が短い、1階配置が理想 |
| キッチン | オープン型、パントリー隣接、動線短く |
| リビング | アウトドアリビングで採光・広がりを確保 |
| 駐車場 | 玄関直結、段差なし、屋根付きが理想 |
永森建設が考える「長く愛せる家」としての終の棲家
終の棲家は、”老後のための家”ではありません。人生の後半戦を、もっともっと豊かに生きるための舞台。永森建設が大切にしているのは、機能としての安心と、感情としての愛着——その両方を備えた家づくりです。

安心して長く住める性能と保証があること
家は、建てた瞬間より、住み続けるなかで価値が問われていくもの。長く暮らすほどに、性能と保証の確かさが日々の安心へとつながっていきます。
永森建設では、全棟で長期優良住宅認定を取得。耐久性や維持管理の容易さが国の基準を満たすことで、何十年先の暮らしも託せる構えに。高い断熱・気密性能は、冬の福井の厳しい寒さのなかでも廊下・トイレ・浴室の温度差を小さく抑え、ヒートショックのリスクを軽減してくれます。
建てた後も長く関わり続けるメンテナンス体制と、住まい心地の顧客満足度97%という数字——どちらも、終の棲家づくりの根底にある姿勢をそのまま映し出していると自負しています。
関連記事:住まいを守る長期保証と、その先にあるもの
老後の時間を自分らしく楽しめること
定年を迎えてようやく訪れる、自分のためだけの時間。その時間をどこで、どんな空間で過ごすかが、人生後半の豊かさをかたちづくっていきます。
趣味の道具を気兼ねなく広げられる遊び部屋や土間スペース、庭や花壇、家庭菜園と一体になったアウトドアリビング。読書や手仕事のための陽当たりのよいコーナーや、好きな音楽をかけながら料理を楽しめるゆとりのあるキッチン——どれも、暮らしを”自分のもの”にしていくための余白です。「老後は小さく暮らす」だけが正解ではありません。自分の好きなことを中心に間取りを考える——それが、終の棲家を”終わり”ではなく”始まり”に変える発想です。
帰ってきた子どもや孫がくつろげること
夫婦2人の暮らしになっても、家は”つながりの場所”であり続けるもの。お盆や正月、孫を連れた帰省のとき——「おじいちゃんの家、おばあちゃんの家」が記憶に刻まれる場所になるかどうかは、空間のつくり方次第です。
広めのリビングや小上がりスペースは、子どもが思い切り遊べる”余白”に。孫が泊まれる客間を1室確保しておくと、帰省の頻度が自然と上がっていくもの。木の香り、やわらかな光、温かみのある素材感——感覚に残る空間こそが、また来たいと思わせる引力になります。庭やウッドデッキは、外でご飯を食べたり、花を摘んだり、孫と過ごす時間の舞台にも。”子どもたちが会いに来てくれる家”は、老後の暮らしの大きな支えになっていきます。
関連記事:家族を結ぶ、リビングの温もり

まとめ
終の棲家に必要なのは、豪華さよりも”暮らしを支える設計”。バリアフリー、ワンフロア動線、水回りの集約——この三本柱を間取りの土台に据えることで、年齢を重ねても変わらない暮らしやすさが叶います。
考え始めるタイミングは、体力・気力・資金の余裕が揃う50代後半から60代前半が理想。「もう少ししてから」と先送りにするほど、選べる道は少しずつ狭まっていくものです。注文住宅という選択肢なら、いまの暮らしと将来の変化を同時に織り込んだ間取りが描けるのではないでしょうか。
機能としての安心と、感情としての愛着。そのどちらも備えた家は、年齢を重ねるほどに価値を増していきます。子や孫が自然と帰ってきたくなる空間、自分の”好き”を心ゆくまで楽しめる空間——終の棲家は、人生の終着点ではなく、これから始まる豊かな時間の舞台なのです。
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