Blog
ブログ
更新日:2026.05.02
住まいづくりコラム
育てる床、無垢フローリングの種類とお手入れ方法
素足で踏んだときの、あの柔らかな感触と温もり。無垢床はただの建材ではなく、日々の暮らしと共に育っていく素材です。
とはいえ、「種類が多くて選べない」「手入れが大変そうで踏み切れない」という声もよく聞きます。実際はどうなのでしょうか。やはり大変なのでしょうか?
無垢床の日常のお手入れ方法や長く美しく保つコツなど、”使い込むほど味わいが深まる”と考える素材選びのヒントも交えながら、無垢床のある暮らしをわかりやすく紐解いてみましょう。
目次
無垢床とは何か
まずは、合板フローリングとの違いや、無垢床ならではの特性を押さえることから始めましょう。床材を選択するうえでの判断材料になるはずです。
無垢床と合板フローリングの違い
無垢床は、天然木を一枚板のまま使ったフローリング材。薄い板を重ね合わせた合板フローリングとは、構造そのものが根本から異なります。
| 種類 | 特徴 |
| 無垢床 | 天然木を丸ごと使った一枚板/木の呼吸・調湿作用あり |
| 合板フローリング | 薄い板を重ねた複合材/寸法安定性が高く、価格も手頃 |
無垢床の最大の特長は、年月を経て色味と風合いが深まる”経年変化”にあります。足触りの柔らかさ、断熱性、吸放湿性など、合板フローリングにはない自然素材特有の優れた性質を持っています。
無垢床のメリット・デメリット
木が呼吸し、調湿作用によって室内の湿度を穏やかに整えてくれる。素足で歩いたときの柔らかな感触と温もりは、合板フローリングではなかなか得られない感覚。そして何より、年を重ねるごとに色味が深まり、風合いが増していくこと——それが無垢床の最大の魅力といえます。
一方で、湿度変化によって反りや隙間が生じることがある点、樹種によっては傷がつきやすい点、定期的なメンテナンスが必要な点は、あらかじめ理解しておきたい。ただ、そのひと手間が「床と向き合う時間」にもなります。
関連記事:無垢フローリングがもたらす心地よい冬

無垢床の主な種類と特徴
樹種によって見た目・硬さ・価格帯・経年変化は大きく異なる。住まいのスタイルや暮らし方に合わせた選択が、長く満足できる床につながります。
オーク(ナラ)
国産・海外産ともに流通量が多く、バランスのよさから無垢床の定番として幅広い住まいに取り入れられています。硬さはしっかりしており傷に強いため、実用面でも安心。色味は明るいベージュから薄いブラウンで、はっきりとした木目が清潔感のある空間をつくりやすく、年月を重ねると徐々に飴色へと表情を変えていきます。ナチュラルや北欧、シンプルモダンなど幅広いスタイルに馴染む懐の深さも、人気の理由のひとつです。
ウォルナット(くるみ)
重厚感と上質さを兼ね備え、高級住宅でも多用される人気の樹種。とくに『ブラックウォルナット』は深みのあるこげ茶が印象的で、空間に静かな格調が生まれます。年月を経るにつれ、その濃い色味が穏やかな飴褐色へと落ち着いていく変化も美しい。板張り天井や間接照明との相性が抜群で、モダンやインダストリアルな空間に取り入れると、床が空間全体を引き締める存在感を放ちます。
スギ(杉)
日本を代表する国産木材。素足で踏んだときのふっくらとした感触は他の樹種にはない独特のもので、子育て世代や自然素材志向の家族から長く支持されています。調湿性・断熱性に優れ、国産材ゆえに入手しやすいのも利点。使い込むほど飴色の光沢が増し、”育てる実感”を最も強く感じられる樹種のひとつです。傷がつきやすいため、それを「暮らしの記録」として受け入れる寛容さが必要かも?

ヒノキ(檜)
部屋に入った瞬間にふわりと広がる、あの清々しい香り。ヒノキの床に一度足を踏み入れると、その感覚が忘れられなくなります。フィトンチッドによるリラックス効果と抗菌作用を持ち、水や湿気にも強く耐久性が高い。色味は白〜淡いクリームで、使い込むにつれて透明感のある光沢が増し、飴色から温かみのあるオレンジ色へと変化していきます。和風や和モダンはもちろん、シンプルナチュラルな空間にも自然になじみます。
パイン(松)
節の多さと柔らかな質感が、カントリーやナチュラルな雰囲気を生み出します。明るいイエロー〜クリームの色味は部屋を軽やかに見せ、経年とともに温かみのある飴色へと変化します。比較的低価格で入手しやすく、節の1つひとつがアクセントとなって表情豊かな床面をつくり出す。無垢床デビューとしても選びやすい樹種です。
チーク
世界三大銘木のひとつに数えられ、耐水性・耐久性ともに最高クラスを誇ります。含有する油分が多く水分を弾くため、耐朽性・防虫性にも優れています。黄金色からこげ茶のリッチな色味はアジアンリゾートやラグジュアリーなインテリアと相性がよく、最初のやや紫がかった色味が年月とともに落ち着いた黄褐色へと変化していきます。希少性から高価格帯にはなりますが、一生ものの床材として選ばれる価値のある樹種です。
無垢床の選び方のポイント
樹種を絞り込む際には、見た目の好みだけでなく、ライフスタイルや住まいの環境も合わせて考えることが大切。以下の3つの視点を確認しておきましょう。
硬さ(耐傷性)で選ぶ
小さな子どもやペットがいる家庭では、傷が目立ちにくい中〜硬めの樹種(オーク、ウォルナット)が選ばれやすい傾向があります。一方、素足の感触を何より重視するなら、柔らかめのスギ・パイン系がおすすめ。柔らかい樹種についた傷も、”味”として愉しめます。大きな傷や凹みの補修のしやすさも、判断材料に。
色味・経年変化で選ぶ
空間の明るさを左右するのが、樹種の色味。オーク・パイン・ヒノキ・スギのような淡い系統は部屋を広く明るく見せ、ウォルナットやチークのような深い色味は落ち着きと重厚感をもたらす。どんな”育ち方”を楽しみたいかも大切な視点で、スギやウォルナットは経年による変化幅が大きく、年を追うごとに床が変わっていく実感を味わえます。
費用感で選ぶ
スギ・パイン・ヒノキといった国産材は比較的手頃で、無垢床を初めて取り入れる場合でも取り入れやすいでしょう。オークやウォルナットは中〜高価格帯、チークは希少輸入材のため高価格帯になります。初期コストだけでなく、「この床と20年・30年付き合えるか」という長期的な満足感を天秤にかけながら検討してください。
実際に樹種を選ぶ際は、カタログや写真だけで決めずに、できればサンプル材を手に取って確かめていただきたいと思います。同じ「オーク」でも、塗装の仕上げや産地、板の取り方によって質感は驚くほど異なります。光の当たり方で表情が変わり、季節によって香りや触感にも微妙な差が生まれるのも、自然素材ならではの面白さ。展示場で実際の床を踏みしめてみると、写真だけでは伝わらない素材の個性に気付けるかもしれません。

無垢床の正しい手入れ方法
「手入れが大変」というイメージを持たれがちな無垢材ですが、基本はシンプル。難しく考えすぎずに、まず日常ケアの習慣をつけることが大切です。
関連記事:「無垢フローリングの掃除は大変」って思っていませんか?
日常のお手入れ(週〜月1回)
基本は、乾いたモップやホウキでほこりを取り除くだけ(無塗装やオイル塗装の場合、化学モップはNG)。水拭きをする場合は「固く絞った」布を使い、水分が残らないようすぐに拭き取ってください。洗剤入りの水拭きは塗装を傷める原因になるため避けましょう。スチームクリーナーは素材を傷めるため使用不可です。
毎日の掃き掃除の中で、光の当たり方がほんの少し変わったことに気づいたり、踏むたびに床の感触が馴染んできたことを感じたり——。そんな小さな変化の積み重ねが、無垢床との暮らしの醍醐味です。特別な道具も技術も必要ありません。大切なのは、「習慣付ける」ことだけ。
ワックスがけ・再塗装(年1〜2回)
定期的なケアが、無垢床の艶と保護を維持します。塗装仕上げによって適切なメンテナンス方法が異なる点に注意が必要です。
- オイル塗装仕上げ:専用オイル、または蜜蝋ワックス(油性ワックス)を使用。市販のウレタン系ワックスは毛羽立ちやシミの原因になるため使用不可
- ウレタン塗装仕上げ:基本的にワックスがけ不要。艶出し目的の場合はウレタン塗装専用品を使用
同じ無垢床でも、仕上げ方法が異なれば手入れのアプローチも変わります。
| 仕上げの種類 | 特徴 | 手入れ難易度 |
| オイル塗装 | 木の質感・調湿性を活かす浸透型 | やや手間がかかる |
| ウレタン塗装 | 樹脂皮膜で保護 汚れ・水に強い |
比較的簡単(ワックス不要) |
| 無塗装 | 最も自然に近い仕上がり | こまめなケアが必須 |
手間を減らしたいならウレタン塗装が向き、木の風合いを最大限に楽しみたいならオイル塗装が人気。ウォルナット・チーク・ナラなど、色味や木目がくっきりした樹種との相性が特によいです。
永森建設が考える「育てる床」という思想
永森建設では”深まる表情、確かな素材”という設計思想のもと、使い込むほど味わいが増す素材を住まいに取り入れることを大切にしています。無垢床は、その最たる例。
大開口やデッキを介して庭とつながるリビング、重厚感と経年美化を兼ね備えた無垢材の質感豊かな空間——。永森建設が手がける住まいには、素材そのものが持つ力を最大限に引き出す設計が根底にあります。
新建材が主流の時代にあっても、永森建設が自然素材にこだわり続けるのには理由があります。それは、住まいは「完成した瞬間が完成形」ではなく、「暮らしを重ねながら育っていくもの」だと考えているから。その間取り、その空間に家族が自然と馴染んでいくように、床もまた家族の歩みと共に変化していく。傷ひとつ、色の深まりひとつが、その家に刻まれた暮らしの記憶になる。それが、永森建設の考える”経年変化”です。
無垢床は、手入れをする行為そのものが”家との対話”になる素材。年月をかけて愛着が育まれる住まいを、永森建設は大切に手がけています。
関連記事:福井で選ぶ、自然素材の心地よい住まい
まとめ
無垢床は、選ぶ樹種によって表情も手入れ方法も異なります。大切なのは、見た目の好みだけでなく、ライフスタイルや家族構成、住まいの環境に合わせて選ぶことです。インテリアのトーンや家族の暮らし方と照らし合わせながら、「この床と一緒に年をとりたい」と思える一枚を見つけてください。
【種類のポイント】
• 明るく清潔感のある空間:オーク・パイン・ヒノキ
• 落ち着いた上質感:ウォルナット(深みを求めるならブラック)・チーク
• 温もりと国産へのこだわり:スギ・ヒノキ
【お手入れのポイント】
• 日常は乾拭きが基本
• 水分はすぐ拭き取る
• ワックス・再オイルは塗装仕上げに合わせた専用品を使用

無垢床を選ぶということは、長い目で見れば「素材と向き合いながら生きる」を選ぶことでもあります。手をかけることで床は育ち、年月を経て初めて見えてくる美しさがある。日々のお手入れの中で素材の変化に気づく瞬間が積み重なり、やがて家そのものへの深い愛着に変わっていく。それはどんな高機能な新建材にも代えがたい、自然素材だけが持つ時間の贈り物といえるかもしれません。
無垢床は、傷も染みも”育ちの記録”として受け入れる器の大きな素材。永森建設の展示場では、自然素材の無垢床を実際に踏みしめ、その感触を体感できる。まずはぜひ足を運んでみてください。
» 永森建設の展示場・モデルハウス
Recommended articles