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2025.01.06

住まいづくりコラム

『離れ』の知恵を活かした、これからの二世帯住宅

こんにちは、永森建設です。

年末年始、普段は離れて暮らしている家族が集まって、ひとつ屋根の下で過ごす時間。なんとも暖かい空気を感じますが、その反面、生活リズムの違いや距離の近さに、小さなストレスを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ひと昔前は、広い敷地内に『母屋』と『離れ』のある家をよく見かけました。今でもちょっと田舎の方へ行くと、離れのある家がたくさん残っています。

この『母屋』と『離れ』の関係ですが、今でいう敷地内同居とはちょっと事情が違います。
敷地内同居はひとつの敷地内に戸建てが2軒あって、親世帯と子世帯が完全に分かれて生活しているのが一般的です。
しかし、『離れ』はあくまでも母屋の一部。トイレや洗面所はあるけど入浴は母屋の浴室を使うとか、台所は母屋と共有しているとか。離れて建ってはいるけれど、生活を共にしているというイメージです。

建築基準法には“一敷地一建物”という原則があって、ひとつの敷地に対し、建物はひとつしか建てられません。つまり、敷地内に戸建てをもう1軒建てようと思うと、土地を分割しなければならないのです。
ところが、『離れ』は『母屋』と一体とみられるため、土地を分割する必要がありません。

そんな『離れ』は、かつてどのように使われてきたのでしょうか。
結婚と同時に離れを建ててもらい、新婚生活が始まります。
子どもが生まれ、離れが手狭になってきたら、母屋に子ども部屋を。
やがて、世代交代のため子世帯が母屋へ、親世帯は離れへ。
親世帯が高齢になったら、大人は母屋へ。離れが子どもの部屋に。
もしかすると、子どもの自習室や趣味の部屋、客間としても使っていた家庭もあるかもしれません。

この離れの在り方は、どこか現代の分離型二世帯住宅に通じるものがあります。

しかし、物理的な距離がありながら一緒に暮らすというスタイルは、今の二世帯住宅よりもさらに自由で、可変性を生み出しているようにも思えます。
かつての『離れ』が持っていた知恵を再解釈することで、これからの時代に合った新しい二世帯住宅の形が見えてくるかもしれません。

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2025.01.06

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