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更新日:2026.01.29

住まいづくりコラム

軒のある家をモダンにデザインする方法【実例紹介】

軒のある家を下から眺めた様子

軒を持つ住宅は、日本の伝統的な家並みにも深く根ざしつつ、モダンなデザインとの相性も高い。軒を効果的に取り入れることで、外観の美しさだけでなく、住まいの快適性や耐久性もぐっと高まります。
一見すると古めかしい印象を持たれがちな軒ですが、デザインの工夫次第で、洗練された現代的な表情をつくり出すことができます。水平ラインの美しさ、陰影のリズム、建物と環境との調和。そうした要素が重なることで、軒のある家はモダン住宅として新しい魅力を放ちます。
雨や雪から外壁を守る機能性、夏の日差しを遮って冬の光を取り込む環境配慮、そして何より、建物に品格と落ち着きを与えるデザイン性。軒には、現代の住まいに求められる要素が凝縮されているのです。

軒のある家、歴史的背景

植栽の隙間から見える日本家屋の屋根

軒とは、屋根が外壁より外へ張り出した部分のこと。軒は単なる構造要素ではなく、日本の風土や文化とともに進化してきました。
日本の住まいにおける「軒」は、古代の高床式建築や寺社建築にその原型を見ることができます。高温多湿の気候と豊富な降雨に対応するため、深い軒が外壁を守り、通風と採光を両立する構造が生まれたのです。
寺院や神社の屋根には、雨を防ぐ実用性と荘厳さを演出する造形美が融合。これが後の『書院造』や『数寄屋造』に受け継がれ、住宅建築にも広く定着していきました。
特に『数寄屋造』では、軒が”外と内をゆるやかに分ける装置”として進化。雨や陽射しを遮るだけでなく、庭や自然と対話する”間(ま)”の空間を生み出す役割を担うようになります。
「縁側」「下屋」「庇」など、軒と連続する構成が日本の暮らしの原型を形づくっています。茅葺き屋根や瓦屋根など、地域ごとの気候や素材に応じて軒の形状も多様化してきました。
戦後の住宅では一時期、軒を省略した箱型デザインが主流となりましたが、近年は再び軒のある家が見直されています。機能性の高さと、モダンなデザインとの相性の良さが再認識されてきたのです。

軒のある家、その魅力とは?

軒下のウッドデッキ

軒のある住宅がなぜ今改めて注目されているのか。モダンなデザインと軒の融合による魅力を整理していきます。

軒がつくり出す陰影美

軒がつくる陰影が建物に与える、深みと落ち着き。単純な箱型の建物と比べて、影の層が加わることで、表情が豊かになります。
水平ラインが強調され、外観が端正で安定した印象になる。これは、モダン建築が大切にする”水平性”とも通じる美意識。屋根と外壁の境界がやわらぎ、景観になじむデザインに。
木目やマットな素材を使うことで、モダンにも自然にも調和する佇まいに。「守られている」「包まれている」と感じる心理的安心感も、軒のある家の大きな魅力です。
控えめな存在ながら、家全体の印象を左右するデザイン要素。美しさと実用性を両立する、日本の住まいらしい知恵が、そこにはあります。

関連記事:日本の美学『侘び寂び』と住まい

軒がもたらす機能的メリット

住まいにとって「見た目の美しさ」と同時に重要なのが、機能性。軒を取り入れることで得られる具体的なメリットを整理していきます。

耐久性の向上
軒が外壁や窓を雨・風・雪から守ることで、経年劣化を抑制できます。雨の吹き込みを軽減し、壁のシミや苔の付着リスクも低減。長く美しい状態を保ちます。
特に福井のように雪が多い地域では、軒による保護効果は住まいの寿命を大きく左右します。外壁の塗り替え頻度を減らせることは、長期的なメンテナンスコストの削減にも。

快適性・省エネ効果
夏季は、軒によって日差しを遮り、室内温度の上昇を抑制。冷房費の削減に貢献します。一方、冬季は低い角度の日射を取り込みやすくする設計で、採光と温熱性能を確保。
雨天時にも窓を少し開けて換気できるのも、軒のある家のメリット。通風を確保しながら、雨の吹き込みを防げる。住まいの快適性を支える、重要な機能です。

関連記事:注文住宅における軒と庇の役割

暮らしの質を高める軒

たとえば、雨天時の通路確保に軒先を利用する。玄関へのアプローチや駐車スペースとの接続がスムーズになり、濡れずに出入りできる快適さがあります。買い物袋を抱えて帰ってきたとき、小さな子どもを抱っこしているとき。雨に濡れずに玄関まで辿り着ける安心感は、日々の暮らしを支えてくれます。
軒下の”中間空間”としての使い方も魅力的。ちょっとした屋外空間として、濡れない屋外動線として。縁側のような半屋外の居場所をつくることもできます。夏の夕暮れ、軒下で涼みながら庭を眺める。そんな豊かな時間を過ごせる場所になるのです。
洗濯物を干すスペースとしても、軒下は重宝します。急な雨でも慌てずに済む。そんな小さな安心の積み重ねが、暮らしやすさにつながっていきます。
家と庭、外部との繋がりを和らげ、建物が”浮かない”印象になる。周辺環境に溶け込みながら、独自の存在感を放つ。軒には、そんな不思議な力があるのです。

軒を出す場合の注意点

軒のある家を計画する際、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

軒出を大きくするとコストが増える
軒出を大きくすると、それを支えるために梁などの部材が大きくなるため、構造的なコストが増える傾向にあります。ただし、柱で支えるような設計にすることで、構造的なコストは抑えられることも。予算とのバランスを見ながら、適切な軒の出を検討することが大切です。

軒裏・軒天のメンテナンスが必須
軒裏は鳥や虫が巣をつくったり、蜘蛛の巣がはったりしやすい場所。こまめに掃除することで、美観を長く保てます。
板張りの軒天はケイカル板より汚れが目立ちにくく、経年変化も味わいになります。メンテナンスの頻度や見た目の印象を踏まえ、仕様を考えてみてください。

日照条件との兼ね合い
日照条件との兼ね合いも重要。窓が1か所しかない部屋に深い軒を出すと、暗くなりすぎることがあります。他の面にも窓があると、採光と日射遮蔽のバランスが取りやすくなります。
設計段階で、日影シミュレーションを行うことをおすすめします。季節ごとの日射角度を確認し、夏は日差しを遮り、冬は光を取り込む。そんな理想的な軒の出を見つけることができます。

モダンデザインに合う軒の設計ポイント4つ

軒のある家を下から眺めた様子

軒のある家で、風格あるモダン住宅を実現するために押さえるべき設計のコツを解説していきます。

関連記事:軒のある家を、おしゃれでモダンな外観にデザインする方法

1. 軒のラインをシャープに見せる設計手法

「軒を出すことで高さを抑えた印象に」する手法は、平屋や低層住宅で特に効果的。建物が地面に近く、安定感のある佇まいになります。
フラット屋根や片流れ屋根との組み合わせも、モダンな印象をつくる定番の手法。細い軒先ライン、薄い軒先見付けにすることで、軽やかさとシャープさを両立できます。
また、軒先と外壁の水平ラインを強調することで、建物全体が引き締まった印象に。軒天の意匠にも工夫を。木目調の仕上げ、カラーリングの選択、凹凸による陰影演出。こうした細部へのこだわりが、デザインの質を高めます。
水平ラインを際立たせるためには、縦方向の要素を抑えることも重要。余計な装飾を削ぎ落とし、シンプルに構成することで、軒のラインがより美しく見えてきます。

2. 素材と仕上げの選び方

軒天・軒裏に使う素材の選択は、デザインの印象を大きく左右します。木材、金属パネル、塗装仕上げと、それぞれに異なる表情を生み出します。
モダン性と温かみを両立できる無垢材やウッドパネルは、経年変化も魅力のひとつ。時間とともに味わい深くなっていく佇まいは、永く愛される家の条件です。
防水処理や通気処理も忘れずに。軒裏は雨がかりにさらされる部分でもあるため、耐久性への配慮が必要です。
軒先に照明やセンサーを仕込むことで、夜の陰影を演出することも可能。間接照明が軒天を照らすことで、建物に浮遊感が生まれます。機能性とデザイン性を兼ね備えた、洗練された表現です。

3. 窓や室内インテリアとの関係性

窓と軒のバランスは、外観の印象を決める重要な要素。窓の高さと軒の高さを揃える、あるいは意図的に重ねることで、デザインの統一感が生まれます。
軒が内外をつなぐ視線誘導役になることも。軒先から庭へ、軒下から室内へ。視線の流れを意識することで、空間に奥行きと広がりを。
高窓や吹き抜け、フルハイト窓との兼ね合いも考慮したいところ。軒によって水平性を強調しつつ、縦方向の開放感も確保する。そのバランスが、心地よい空間をつくります。
ウッドデッキやタイルデッキなどで軒下空間をデザインし、室内と屋外の連続性も高めましょう。軒があることで、外部空間をより積極的に活用できます。

4. 環境との調和・日照配慮

隣家や道路との日影シミュレーションは、設計段階で必ず行いたいプロセス。自分たちの家が快適であるだけでなく、周囲への配慮も必要です。
遮蔽物や緑地などとの関係も重要。既存の樹木や周辺の建物を活かしながら、軒の出や向きを決めることで、より豊かな住環境が生まれます。
また、夏は高い角度からの日射を遮り、冬は低い角度の日射を取り込むため、軒の出を調整することで、季節ごとの快適性を高められます。
植栽を組み合わせることで、軒の効果をさらに高めることも。落葉樹を配置すれば、夏は葉が茂って日陰をつくり、冬は葉が落ちて日差しを取り込む。自然の力を借りた、持続可能なデザインです。

軒のあるモダンな家【実例3選】

永森建設が手がけた3つの住まいを”軒”という視点で再解釈してみましょう。軒の出し方、陰影の演出、軒下空間との連動という観点から、それぞれの設計意図と学びを紐解いていきます。

長い軒の出、軒下空間の有効活用

CAVE-ケイブ-

モデルハウスCAVE-ケイブ-の軒下空間

リビング前の軒下空間で、外と内の連続性を意図した住まい。深い軒出が雨や風雪を遮りつつ、外部動線を確保しています。
リビングの横にはウッドデッキを設けました。家事室からもウッドデッキに出られるので、洗濯物の外干しも可能。軒下という”守られた屋外”があることで、天候を気にせず暮らせる安心感があります。
また、深い軒は夏の強い日差しからも室内を守ります。冷房効率が上がり、省エネにもつながる。機能性とデザイン性を両立した、軒の効果的な使い方です。
» 事例|CAVE-ケイブ-

軒のある家をスタイリッシュにデザイン

LUXE-ルクス-

モデルハウスLUXE-ルクス-のシックな外観

二段になった軒の重なる水平ラインで、モダンな外観をデザインしました。守られた雰囲気で、心理的な安心感を高めています。
リビングの外は軒を深く出し過ぎず、十分な採光とスタイリッシュなデザインを確保。軒下空間は広く取り、庭と室内の一体感を演出しています。
軒のラインを重ねることで、建物に奥行きと陰影のリズムが生まれる。シンプルでありながら、表情豊かな外観。軒がつくり出す陰影美を、存分に活かした設計です。
» 事例|LUXE-ルクス-

ウッドデッキで外と繋がる、ビルトインガレージのある平屋の住まい

水平ラインの美しい軒のある平屋

上質な素材感の中にも、どこか軽やかさを感じさせるシンプルな平屋。玄関前の目隠し格子で和の要素を取り入れつつ、シルバーのガレージシャッターでスタイリッシュにデザイン。
軒先の水平ラインを強調することで、建物の低重心を際立たせて安定感を出しています。平屋ならではの、地面に近い佇まい。軒がその印象をさらに強調し、落ち着きのある外観を実現しました。
» 事例|ウッドデッキで外と繋がる、ビルトインガレージのある平屋の住まい

永森建設で実現する「軒のあるモダンな家」

永森建設が掲げる「住まいの品質」「地域性との融合」。それは、軒のある家づくりにも通じる考え方です。
モダン性を尊重しながら、地域の風土にも適した設計。福井の冬の雪、風の強さ。こうした気候特性を踏まえた上で、美しく快適な住まいをつくることが、私たちの使命だと考えています。
軒を通じて外と内、建物と環境を調和させる。古くからの知恵を現代に活かしながら、新しい価値を生み出していく。そんな姿勢で、一邸一邸の家づくりに向き合っています。

永森建設では、お客様との対話を大切にしながら、軒の出し方やデザインを提案。敷地の向きや周辺環境、日照条件を詳細に分析し、最適な軒の設計を導き出します。単にデザインだけでなく、将来のメンテナンス性や耐久性まで見据えた提案ができるのは、長年この地域で家づくりを続けてきた実績があるからこそ。
安全な軒の設計、高い断熱性能との両立、経年変化まで考慮した素材選び。デザインと性能、どちらも妥協しない家づくりを実現しています。
軒のあるモダンな家は、永森建設の得意とする分野のひとつ。弊社モデルハウスでも、そんな軒の効果を実際に体感していただけます。ぜひ一度、足を運んでみてください。

» 展示場・モデルハウス|永森建設

まとめ

も気のある家の外観を庭から見たところ

軒を備えたモダン住宅は、外観の美しさと住まいの機能性を高次元で両立する建築スタイル。設計段階で軒出・ライン・素材・構造を綿密に検討し、周辺環境や採光・通風条件を踏まえてシミュレーションすることが肝要です。
実例からも、軒は単なる装飾ではなく、建物の価値を左右する要素であることが明らか。陰影がつくる表情、雨風から守る機能、外と内をつなぐ中間領域。軒が持つ多面的な役割が、住まいの質を高めてくれます。

永森建設では、地域性とモダン性を融合させた「軒のある家」をご提案しています。福井の気候風土を熟知している弊社だからこそできる、美しさと快適さ、そして耐久性を兼ね備えた設計。軒を通じて暮らしに”安心・快適・品格”を与える住まいづくりを、一緒に考えていきましょう。

更新日:2026.01.29

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