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2025.06.28
住まいづくりコラム
『スペパ』で変わる、今どきの住まい

住宅業界でも注目されつつあるワード『スペパ』。Space Performance(スペースパフォーマンス)の略で、限られた空間を最大限に活用する考え方“空間対効果”を意味します。
昨今の住宅価格高騰やミニマルな暮らしを求める傾向から、この『スペパ』が新たなトレンドとして浸透しつつあります。
隙間空間の有効活用
『スペパ』の考え方が最も活きるのが、住まいの中の”隙間”とも言える空間。
たとえば、階段下のスペースは、上手く活用されずに多くの住宅で見過ごされている場所。この空間を収納スペースやワークスペースとして活用することで、これまで”無駄”とされていたスペースに新たな価値を持たせることができます。
ヌックの人気も近年急上昇中で、子どもの秘密基地や読書コーナー、ちょっとしたディスプレイスペースとしても活用されています。
広く見せるデザイン
実際の広さ以上に空間を広く感じさせる工夫も、『スペパ』の重要な要素です。たとえば、南面に大きな窓やウッドデッキを設けて、家の中と外の境界を曖昧にする。そうすることで視線が外に抜け、室内が広く感じられます。さらに、福井の豊かな自然を借景として取り込むことで、屋内外の境界はより曖昧に。
内装の色調も空間の印象を左右します。暗めの色調は空間を引き締めて見せるので、広く見せたいなら白やアイボリーを基調とした明るめの色を使うとよいでしょう。
動線計画の重要性
『スペパ』を考える上で見逃せないのが、動線計画です。ここ数年で使われるようになった『タイパ』Time Performance(タイムパフォーマンス)=“時間対効果”という言葉からも、家事や生活効率への注目度の高さがうかがえます。
たとえば、キッチンでの作業と洗濯を同時進行できる配置。干した洗濯物を収納するための動線やキッチンとパントリーの位置関係など。こうした工夫は、日々の暮らしの中で積み重なり、大きな時間の節約につながります。
住まいにおいて暮らしやすさの指標となるのは、面積の広さだけではありません。限られた空間をいかに効果的に活用し、心地よい暮らしを実現するか。それこそが『スペパ』の本質であり、これからの住まいづくりの鍵となるのではないでしょうか。
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